066.たった1つの



私が勝つということは、殿が天下に一歩近付くということである。

私が勝つということのみならず、その他多くの将が勝つこととは全て殿を天下に押し上げることである。

では、私が私である理由は、何なのだろう。

誰か他の者が戦い、勝ち、殿に勝利を捧げても良いのではないだろうか。
私はそれを眺めていても良いのではないか。

何故私は今こうして剣を手にし傷を負いながら戦っているのだろうか。

決まっている。

勝つことは、強さの証明である。

誰も私に取って代われないほど強ければ、私の椅子には私が座るしかない。

殿に最も多く輝かしく勝利を捧げられるのが私ならば、その椅子に座っているのは私である必要がある。

これでは果たして殿のために戦っているのか、自分のために戦っているのかとたまに自嘲する。

両方であるという答えが認められれば最もことは単純ですむのだが。
それでは納得しない輩がこの世に多くて多少困る。

だが私はこうして自我を保っている。

悩むのも馬鹿らしいと、単純なほど明快に割り切って。

私が私として生を受け、生きる意味を求めた瞬間から。

私は私の椅子をめぐって他者と闘っている。

今のところ全勝である。








こういう思考回路だといい…w
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