01 荒野を南へ行く一団があった。 一団とは言っても、それらはひどく疲れ果てていたし、身なりも荒れており困窮した十数人足らずの旅人に見えた。 彼らははるか北からの使者だった。 祖国を発ったときには40名いたはずの仲間はなれぬ熱と陽射しに倒れ、途中の村に留まるか命を落とした。 それでも尚、彼らは南を目指す。 先頭の馬に乗った男が背後を振り返った。 長い黒髪を一つに束ね左目を眼帯で覆ったその男は見る者があれば一目でリーダー格であると判じられる威厳とたくましさがあった。 ただし彼もまた長旅の疲弊が色濃く現れている。 随従の者に一言、二言声をかけ、また馬を進める。 それは彼らにとって見慣れた日常だった。 もう何十日も岩肌むき出しの高山を越え、森林を抜けてきた。 その度に暑さに弱い者、体力のない者から欠けていった。 目的地に着くのが早いか、自分が倒れるのが先か、一様の不安が一行を包んでいた。 目的地。 それは彼らの知りうる限り誰も踏み入ったことのない、幻の王国だった。 |